ダンス・インテリジェンス
2008年12月号

30代・40代を取り込むための2つのキーワード
「社交ダンス世代論」(前編)
近年、危惧されている社交ダンス人口の高齢化。社交ダンスの衰退を防ぐには、自由にできるお金を持つ30〜40代シングル層を取り込むしかない。
「30代独身」が当たり前の時代

 50代・60代が圧倒的多数派を占める社交ダンス市場。むろん、10代・20代で社交ダンスに懸命に取り組んでいる人たちも大勢いるが、全体から見れば圧倒的に少数であり、さまざまなスポーツ、遊びの情報に囲まれている若年層をいきなり拡大することは難しい。
 となれば、やはりポイントは30代・40代に対して、いかに社交ダンスへの関心を喚起するか、であろう。

 昨今は、この世代の独身比率はかなり高い。
 2005年の国勢調査結果では、30代前半の男性の独身比率は47.1%、女性で32.0%、30代後半で男性30.0%、女性18.4%、40代前半で男性22.0%、女性12.1%、40代後半で男性17.1%、女性8.2%である。

 わかりやすいところを取り出してみると、32歳男性は2人に1人が独身、40歳男性、35歳女性の4人に1人が独身である。

 ちなみにこの数字は、ここ数十年、毎年上昇しているので、2008年現在ではさらに高くなっている。しかも、東京・大阪などの大都市圏に限れば、より高い数値となることは確信を持って推測できる。

 この世代、20代の頃のようにさまざまなスポーツや趣味にチャレンジする機会は減り、気力も低下している。交友関係も、歳とともに狭まる。しかし、独身に限れば、お金はあるし、仕事がかなり忙しい人でも時間はある。
 ついでに言えば、20代のときのように、自然に異性と出会える機会を増やしたいと願っている人はとても多いのだ。つまり、社交ダンスの潜在ニーズはとても高いはず、なのである。
 
 実は筆者の知人にも結構いるんである、こうゆう輩が。

じゃあなぜ社交ダンスの世界に入ってこないのか。

30〜40代の敬遠化を招く業界のアピール不足

 「親父が社交ダンスにはまっているので自分もやってみようと思ってるんだけど。でも若い女の子と知り合う機会はあまりなさそうだからなあ。まずはサルサのほうがいいかも」(31歳独身のサラリーマン、Nクン)。

 「興味はあってダンス教室に行ったことはあるんですよ。でもお金かかりそうだし、同世代がいないので、またいずれ、と考えてやめてしまいました」(37歳独身OL、Yさん)。

 そう、こうゆー人たちを取り込む工夫を講じていない社交ダンス教室が多いのである。むろん、努力しているところもある。

 「『ケイコとマナブ』に広告を出してみたら、若い人がたくさん来てくれるようになりました。興味を持ってくれている人は多いと感じますよ」(東京・新小岩でダンススタジオを経営する伊藤金四郎氏=JDC東部総局局長。なお、『ケイコとマナブ』のターゲットは、20代から30代前半の女性とされている。念のため)。

 30代、40代の場合、時間的に、中高年とは違って週に何回も通うわけにはいかないだろう。必然的に教室にとって大きな収益源にはなりえないかもしれない。しかし、この世代を取り込まずに、いきなりジュニアの無料クラスを設置しても、巨大な空白世代が生じてしまうことになりかねない。
 それでは、日本における社交ダンスは先細りになってしまうだろう。

 実は、さきほど紹介したコメントの中に、2つ重大なキーワードが隠されている。


社交とサルサ。ダンスのミックスが突破口に

 1つ目は「サルサ」である。
 Nくんの父親はダンスパブを経営しており、そこに集っている女性たちが、現実にはほとんど自分のお母さん世代であることをよく知っている。

 そのダンスパブで最近、サルサパーティーが企画された。ツテを頼って宣伝した成果もあり、ナント30歳前後の都会的な女性が多数来場! 踊れないために、片隅で指をくわえて見ていた彼は(筆者の想像)、このとき「やるならまずサルサ」と心に誓ったに違いない。

 しかし、サルサと社交ダンス、それほどかけ離れたモノではない。

 サルサを楽しんでいる人がルンバやワルツを覚え、社交ダンスファンがサルサを覚えれば、合同パーティーだって可能なはずである。むしろ、いろんな曲が流れて、いろんな踊りを楽しめたら、パーティーの魅力が倍増しないだろうか。

 そこで提案。

 サルサ&ルンバパーティーってどうだろう。

 何種目もいきなり覚えるのは、誰だってしんどい。パーティー前に合計30分、ルンバとサルサの基本だけ教えて、両種目交互に踊るパーティーに参加してもらう。
 カジュアルなおしゃれとおしゃべりと音楽と、そしてダンスを楽しむ。場所と時間帯によってはお酒があってもいい。30代・40代中心なら、10代・20代中心のかつてのディスコのような危なっかしい雰囲気にはならないし、50代以上の人でも安心して参加できるのではないか。


(以下続く。後編では、社交ダンスとサルサの融合のヒントとなる事例を取り上げ、さらに『ケイコとマナブ』をキーワードとして、新世代取り込みのための媒体について考えてみます)


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都内のアマチュアダンス競技会では、30〜40代の
参加選手はほとんど見られなかった。
あるサルサクラブでは、「社交ダンスも習ったことがあるけど、難しくてやめてしまい、サルサ一辺倒です」という人も。


埼玉県川口市のドレスメーカー「カオリ」内にあるダンススタジオ
「ダンスdeパーク」では、7月19日(土)に、サルサ&社交ダンスパーティーが行なわれた。
当日は、元全日本プロラテンチャンピオンの響みか氏がサルサの講習とともに、サルサと社交ダンスの両方を自然に楽しめる新たなスタイル
「カジュアルダンス」を提案。
サルサ愛好者・社交ダンス愛好者が両方のダンスを自然に楽しんでる様子が印象的だった。

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